マテルのジェンダーニュートラルなドールCREATABLE WORLDが発売されたことを取り上げたTIMEの記事。
https://time.com/5684822/mattel-gender-neutral-doll/
日本でも一部ウェブニュースになっていましたが、表面だけをなぞるような記事ばかりな気がしたので
自分が読むついでに翻訳をしました。かなり時間がかかってしまうので前半と後半に分けます。
素人なので翻訳が間違っている場合や誤字脱字、単語も訳が統一されていないかもしれません。
他、ジェンダーに関する部分は調べながら訳していますが解釈が不適当な部分もあるかもしれません。
その際は優しくご指摘いただけると助かります。
前半はこちら。
2020.06.06 実物を手に入れたのでレビューページつくりました。
マテルのジェンダーニュートラルなドール CREATABLE WORLD 実物レビュー
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まさに、なぜ新しい世代が、社会が何千年もの間使用してきた分類を拒否しているのか、議論になっている。J.Walter Thompsonマーケティンググループの世論調査によると、Z世代の81%は性別で定義すべきではないと考えている。
しかし、それは性別についてだけではなく、現実的であろうと知覚的であろうと、真正性についてであるということだ。男らしい男性俳優と、魅力的で超フェミニンな女優は、以前より文化的な威信はない。過度に磨かれたものやニセモノの様な物に対する優れたレーダーを備えたZ世代。彼らは、にきびから鬱まで、全ての事との戦いについてのYouTuberの告白を好む。
New York Timesが最近、Z世代に自分自身の呼び方を選ぶように尋ねた時、最も好まれた回答は「私たちをどうとも呼ばないで」だった。
おそらく彼らの性別についての考えは、生まれる前に性別お披露目パーティで性別の入った箱をお披露目するような慣行を拒否し始めた両親の影響を受けて拡大したのだろう。
性別公開パーティーを大衆化したジェナ・カルヴニディスは、彼女の10歳の子供がジェンダーノンコンフォーミング( gender-nonconforming 性自認の感覚を持たない・ 性に関する旧来の固定観念に合致しない人 )であり、パーティーを開催することを後悔していると最近Facebookで明らかにした。
「彼女は私に言いました。『ママ、性別はたくさんある。 ママ、沢山の違うセクシュアリティがあって、全部種類が違う。』そして私は彼女のそんな導きを受け入れました。」そうナショナルパブリックラジオのインタビューで語った。
おそらく、自分のアバターを作成できるゲームで育った子供たちの世代だということだ。どんなスタイリングや性別であっても彼らは喜び、子供たちがアイデンティティについて考える方法を広げるのに役立っている。
きっと、アマンドラステンバーグやサムスミスのような多くの有名人がジェンダーノンバイナリとしてカミングアウトしているという単純な事実が、他の若者が同じことをするのを容易にしたのだろう。
アルファ世代は、用語のあらゆる意味でアメリカで最も多様な世代であり、すべての表現感覚でアメリカでもっとも多様な世代である。ジェンダーに関して、よりリベラルな見方で成長する可能性がある。
「これはこの世代の結集の叫びです」とJess Weiner(現代の市場とジェンダンダーの負の問題について関係を持つことに気を配る、大企業の為の文化コンサルタント)は言う。「今日、そして現代の企業は進化する必要があります。さもなければ彼らは死に、去ることになるでしょう。そしてその進化の一部は、彼らが今まで優先してこなかったことを理解しようとすることです。」
マテルは、若い買い物客が性別固有の商品から離れる傾向に気づいた最初の会社ではない。Phluidプロジェクト( ニューヨーク市のLGBTQ +コミュニティに 提供しているジェンダーフリーの衣料品店 )の創設者であるロブ・スミスは、マテルを含むいくつかの大企業は、若い大衆に売り込む方法について助言を求めて彼に近づいてきたと言う。
「私は、何にも縛られたくない若い消費者にとって、男性と女性の区別はそれほど重要ではないと考えている多くの企業と協力しています。」彼は言う。「男性用シャンプーと女性用シャンプーがありますが、すべてシャンプーです。 企業は、Z世代に勝つために、その中間のスペースを調査し始めています。」
それでも、マテルはアメリカの企業にとって不安定な時に政治的に非難される議論に入る。顧客の忠義を獲得したいアメリカの企業は、政治的議論への道に行くかどうかを迫られているのだ。PR代理店のWeber Shandwickの調査によると、ミレニアル世代の47%が、CEOが社会問題に対してスタンスを取るべきだと考えてる。
調査対象のミレニアル世代の約51%は、活動家のCEOが経営する企業から製品を購入する可能性が高いと述べている。
今、パタゴニアの店に入ると、次のような表示を見ることができる。「大統領はあなたの土地を盗んだ。 今すぐ行動してください。」
このような行動主義はよく自己利益から生まれる。企業はリベラルな顧客にアピールし、若い従業員とその同盟を維持したいと考えているのだ。
自らの意見を表明することで小さなリスクには直面するが、傍観する事は重大な結果を招くことになる。8月に顧客はEquinoxとSoulCycle(いずれもフィットネス会社)をボイコットした。―LGBTQ +コミュニティに積極的に支持を求めようとしている2つの企業 ―報道では、それらの企業の主要投資家がチケット価格が最高250,000ドルのトランプのための資金調達パーティーを開催していた。Second Measureによるデータ分析によると、8月の顧客購入は前月に比べて約13%減少した。
WeinerはSoulCycleの経験は教訓話として役立つべきだと言う。 「私はいかなる規模のビジネスも、彼らの消費者層が他のどの特性よりも透明性を評価するということを今は理解していると思います。消費者たちは取締役会が自分の選択を反映していることを知りたい。そしてそれは多くのビジネスに油断をもって捉えられています。」 Weinerは 言う。
「あなたたち企業の取締役会に女性がいないなら、ジェンダーの公平性についてコマーシャルで語ることはできません。彼らは知っている必要があります。」
今、その玩具会社はこの国の進歩的な部分に明確にアピールするための製品を作ることを選択した。マテルのグローバル人形ポートフォリオの上級副社長であるリサ・マッナイトは、大手小売業者はクリエイティブワールドに熱心であると言う。「彼らは包括性のメッセージに興奮しています。」と彼女は言う。「世界はより多様で包括的な場所になりつつあり、それをサポートするためにより多くのことをしたい人もいます。」リスクを迫られたとき、彼女は代替案を提示する。
「率直に言うと、私たちは他の会社がこのような製品ラインを立ち上げたかどうかを自問します。どう感じるか? そして、その意識調査の後、私たちは進んでいます。」
マテルはメッセージをより適切に管理することを目的の一部として、まずオンラインでのみクリエイティブワールドの展開を開始する。これには、LGBTQ +コミュニティにおけるインフルエンサーとリーダーを選択するためのスニークプレビュー(発表前の試用)も含まれる。小売店での人形の販売はより複雑である。
一つには人形売り場に来ようとしない買い物客の注意を引くために、それを店のどこに置くかという問題だ。店員は、人形について話すときに使用する代名詞と、それについて不安な両親の質問に対応する方法を訓練する必要がある。
そして、実際的な懸念もある。ディクソンは、クリエイタブルワールドの人形に対する抗議が他のマテルブランド、つまりバービーを傷つける可能性に備えていることを認めているのだ。
マテルは以前にリスクを負っている。 最近では、2016年に3つの新しいボディタイプ(高身長、小柄、そして根本的にはふくよかなタイプ)がバービー人形に追加された。人形のほぼ60年の歴史の中で世界で、企業が最も有名なブランドの1つに大きな変更―体型の変更―を加えたのは初めてだった。
この変化はバービーを非現実な体型でフェミニストから非難されていた後進的なドールから、現代的な玩具に推し進めることを助けた。
バービーは今、売り上げが上昇している。 売り上げは過去8四半期にわたって増加しており、マテルによると、過去1年だけで14%の売上増を記録した。
しかしマテルはバービーの体を変えたとき、タイミングが遅すぎると感じた。何年もの間、世界で活躍するミンディ・カリングとアシュリー・グラハムは、ふくよかなボディタイプを擁護していた。親たちはボイコットと手紙のキャンペーンで変化を要求していた。
対照的に、クリエイティブワールドは未知の領域のように感じる。子どものメディアについて考えてみるとディズニーは、どの映画にも主要なゲイのキャラクターを導入しておらず、ジェンダーノンコンフォーミング( 性に関する旧来の固定観念に合致しない人 )については言うまでもない。
映画にトランスのスーパーヒーローはいない。ハリー・ポッターシリーズのダンブルドアのように、クリエイターがクィアだと言っているキャラクターでさえ、実際にはページや画面に出ていないのだ。そのポップカルチャー空間では、ジェンダーに中立な人形は急進的に見える。
これが事実であることを証明する科学的証拠はないが、コマーシャルやプレイグループで子供をノンバイナリー(男女のどちらにも分類されない混じり合った性別)の人形にさらすことで、子供のアイデンティティを変える恐れがあると言う顧客もいる。
この議論は、子どもたちが遊ぶおもちゃの種類が彼らのアイデンティティや性別の感覚に影響を与えるかどうかについての社会政治的な問題に発展するだろう。
ディクソンによればその議論が生まれることには、価値がある。「もし私たちが、男の子が女の子用とされる玩具で遊ぶことができ、女の子が男の子とされる玩具で遊ぶことができるというアイデアを提示できていれば 、世界がより物の見方に敏感な場所となることに貢献できたでしょう。」彼は言う。
「そしてさらに、そのような困難な場所で自分自身を探す子供たちにとって、彼らの人生のその瞬間をもう少し快適にすることができれば、そして彼らが認識されていると感じさせる何かを私たちが作ったたことを知ることは、美しいことです。」